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2015年11月17日火曜日

通称イペー(旧学術名Tabebuia属)の分類

1.Tabebuia属の分類とIpe
 旧来、イペー(Ipe、Ipêという言葉は学術名タベブイア(Tabebuia)属の通称でした。タベブイア属は2007年に3種類の属に分割され、米国の植物分類学の雑誌「Systematic Botany Monographs」に掲載されました。
  タベブイア属はノーゼンカズラ科の顕花植物の中の一つの属です。1992年にタベブイア属の分類法の改訂で、99種と1種のハイブリッドが記述されました。その後のDNA配列の系統面における研究で定義されたタベブイア属には多くの系統がありましたが、2007年に三種類に分割されました。プリマベイラ(Roseodendron donell-smith)、および関連した独自の共通名を持たない種類(Roseodendron chryseum)はロゼオデンドロン(Roseodendron)に移されました。イペー(ipe)、紫イペー(pau d'arco)又はポウイ(poui)として知られているものはハンドロアンサス(Handroanthus)に移されました。67種がタベブイアに残りました。
   1992年にGentryが記述したタベブイアの、旧来の種類と99種の多系統グループは、現在、通常は「広義のタベブイア」と見なされています。
 属の名前(generic name)は、先住民族がこれらの木に用いていた言葉からきています。

   総括:
   1992年に定義した100種のTabebuia属を2007年に三分割した。
     ①ロゼオデンドロン[Roseodendron]属: It consists of two species, Roseodendron donnell-smithii and Roseodendron chryseum.
     ②ハンドロアンサス[Handroanthus]属:It consists of 30 species of trees poui, pau d'arco, or ipê.
     ③タベブイア[Tabebuia]属:1992年に定義した99種のタベブイアから、上記①②を除いた67種


引用したWikipediahttp://en.wikipedia.org/wiki/Tabebuia
Tabebuia is a genus of flowering plants in the family Bignoniaceae.・・・・(中略)・・・・
In 1992, a revision of Tabebuia described 99 species and one hybrid. Phylogenetic studies of DNA sequences later showed that Tabebuia, as then circumscribed, was polyphyletic. In 2007, it was divided into three separate genera. Primavera (Roseodendron donnell-smithii) and a related species with no unique common name (Roseodendron chryseum) were transferred to Roseodendron. Those species known as ipê, pau d'arco, or poui were transferred to Handroanthus. Sixty-seven species remained in Tabebuia. The former genus and polyphyletic group of 99 species described by Gentry in 1992 is now usually referred to as "Tabebuia sensu lato".
The generic name is derived from words used for these trees by the Indigenous peoples in Brazil.



2.Handroanthus の説明
  イペーアマレーロなどは Handroanthus属 の仲間です。
  Handroanthusはノウゼンカズラ科の顕花植物の属です。これは、一般的な名前のpoui 、紫イペ、またはIPEとしてラテンアメリカで知られており、30種の樹種で構成されています。後者は時々英語でEPAYと表記されます。大規模な樹種は時にはラパチョまたはguayacanと呼ばれていますが、これらの名前は、より正確には Handroanthus lapacho 種とHandroanthus guayacan種と標記されます。イペーアマレーロなどは Handroanthus属 の仲間です。
   引用したWikipedia http://en.wikipedia.org/wiki/Handroanthus
Handroanthus is a genus of flowering plants in the family Bignoniaceae. It consists of 30 species of trees, known in Latin America by the common names poui, pau d'arco, or ipê. The latter sometimes appears as epay in English. The large timber species are sometimes called lapacho or guayacan, but these names are more properly applied to the species Handroanthus lapacho and Handroanthus guayacan, respectively.


3.タベブイア(Tabebuia)の語源 
  タベブイア(Tabebuia)という名前は、1803年に植物文献に記載されました。アントニオ ゴメスが、彼がBignonia種としていた タベブイア ウリギノーサ(Tabebuia uliginosa)に一般名として使用したのが最初です。タベブイアは「アリの木」を意味するツピー語の「tacyba bebuya」の略語です。
 ブラジルの先住民族の間には多くの種類のタベブイアに対して似たような名前があります。
   
    引用したWikipediahttp://en.wikipedia.org/wiki/Tabebuia
The name Tabebuia entered the botanical literature in 1803, when António Bernardino Gomes used it as a common name for Tabebuia uliginosa, now a synonym for Tabebuia cassinoides, which he described as a species of Bignonia. Tabebuia is an abbreviation of "tacyba bebuya", a Tupi name meaning "ant wood". Among the Indigenous peoples in Brazil, similar names exist for various species of Tabebuia


4.イペー(Ipe)の語源
   イペーの語源を調べました。
 "Ipê"  "ipé"は、16世紀にブラジルの海岸に生活していた、トゥピ族の人々によって話されていた言語の ï'pé という言葉に由来します。トゥピ族の「ウヴァ茶」はこの樹皮です。

"Ipê" e "ipé" provém do
tupi ï'pé, "árvore cascuda"2 . "Pau-d'arco" é uma referência a seu uso, pelos povos indígenas do Brasil, como matéria-prima para confecção de arcos3 . "Ipeúva" significa, traduzido do tupi, "árvore da casca"4 .
 出典は下記です。タベブイアの説明の中の「Etimologia」(語源)の説明です。

    http://pt.wikipedia.org/wiki/Tabebuia

 サンパウロ市在住の松村滋樹さんから、「Cidades brasileiras cujos nomes têm origem no tupi-guarani e outros nomes」という資料を紹介して頂きました。先住民のトゥピ・ガラニー族の言語に由来するブラジルの都市名の解説書です。これに、サンパウロ州の「IPEÚNA市(人口現在6千人)」があります。
  IPEÚNA (SP)   y’pê: madeira de casca dura - ipê + una: escuro, preto. Ipê-roxo = y’pi’una: madeira de casca preta.
 IPEÚNAとは、黒いイペー、すなわち紫イペー、イペー・ロッショという意味です。

 出典は下記です。    http://www.paty.posto7.com.br/palavrastupiguarani.htm

タヒボ(Taheebo)は、インカ帝国時代に現地人がイペー・ロッショの一種につけた名前のようです(Walter Radames Accorsi 著「TAHEEBO」より)
          トゥピ族         





 写真は「IndiansTupi or not Tupi”」より引用 



5.旧タベブイア属検索表
  画面をクリックすると鮮明に見えます。
タベブイア属検索表---修正
コメント:
(1) 5の中のT.heptaphyllaの花色が黄色とありますが、T.impetiginosa同様の色の筈です。本文中では、ブラジル名でイペー・ロッショと明記されています
(2) T.serratifoliaの葉が「小葉は全縁」の仲間に入っていますが、種名自体は鋸歯のある葉を意味しますから、どう見ても矛盾しています
        クリチーバ市のルイ・バルボーザ広場のタベブイア・アルバ
                   http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Ipe-amarelo_curitiba.jpg  より写真引用
View of Curitiba, Brasil. Rui Barbosa Square.
End of Winter and Tabebuia alba (ipê-amarelo) blossoming.
       20 August 2006
 
Familia: Bignoniaceae
Tribus: Tecomeae
Genus: Tabebuia
Species: Tabebuia alba
Classification System: APG III (down to family level) Main Page
Regnum: Plantae
Cladus: Angiosperms
Cladus: Eudicots
Cladus: Core eudicots
Cladus: Asterids
Cladus: Euasterids I
Ordo: Lamiales
2014年7月26日追記:
                              
送信日時:2014年7月23日 14:24:52
             
池田さん 前田さん 小出さん
                  有隅です
 
「池田ポンポン」はTabebuia alba(=Handroanthus albus)だと同定していましたが、今回私が頂戴した種子からの植物は異種(恐らくT.serratifolia)ではないか、と思いました。その理由は、以下のとおりです;
 
(1)この「池田ポンポン」関係で、私が最初に落掌したのは、前田さんから頂戴した実生小苗8株でした。
 
(2)この実生苗の特徴は、葉の表に皺が目立つこと、また葉裏が白っぽいことで、恐らく成木になったらその成葉の葉裏は、「種名」の元になったalbaそのものになるのではないか、と思っています。
 
(3)次に池田さんから私のところに直接、5種類5袋の種子池田「2‐1」「2‐2」「3」「4‐1」「4‐2」が送ってきました。多分「2」「3」「4」の3種類だったのかもしれませんが、私は袋別に別々に取扱うことにしました(合せることは何時でもできますので)。
 
(4)この池田さんからの直接の種子の他に、ほぼ同じ時期に、前田さんを通じて2種類の種子を落掌しました。種子の色が違っていることから、前田さんに準じて池田・前田「黒」「白」と呼ぶことにしました。
 
(5)これらの種子は、春暖かくなってからというので、この3/29に播種しました。それで現在、7種類の実生小苗と最初の「前田実生」の合計8系統が、私のところで育っていることになります。
 
(6)さて種子からの実生で「前田実生」(=T.alba)のソックリサンは、池田・前田「白」のみで、他は葉の裏が緑で、皺も余り目立ちません。同じ「種」とは、到底考えられないのです。その一番大きな特徴は、葉縁に顕著な鋸歯がある点です。それでずばり学名通りのT.serratifoliaではないか、と思いました。
 
(7)ところで橋本梧郎先生のTabebuia属の検索表で、T.serratifoliaは何と「葉縁は全縁」の部類に入れられていて、「時に鋸歯がある」と記載されています。「時に鋸歯」で、何で「serratifilia」になったのでしょうか? 矛盾を感じます。
 
(8)一方、図鑑ARBORES BRASILEIRAS(この文献も原版のポルトガル語版と英訳版で、写真に食い違いがある場合があって、若干信頼が置けない)を見ますと、T.serratifoliaの花房は各小花の花柄が短いので、全体がキッチリ詰まった薬玉状の、ポンポンと呼ぶにふさわしい花房を呈しています。
 
(9)これに対してT.albaの花房は、複合花房とでも呼んだらよいのでしょうか、複数の小花房の集まりになっていますので、小花数自体は数が多いのですが、全体がルーズで、バラケタ花房になっています。キッチリした薬玉状ではないのです。
 
(10)さて、池田さんにお願いしたいのですが、今回お送り頂いた種子から育ちつつある実生の様子を見ますと、私には2種類の「種」がごっちゃになっているように思えます。1つはT.alba、そして今ひとつを私はT.serratifoliaではないか、と考えました。
採種をされた原木(親木)をご覧になって、1つは葉の裏が白ポクッて、大きいがしまりのないルーズな花房、今ひとつは葉の鋸歯が際立った、コンパクト花房ではなかったでしょうか? ご確認を願えたら、有難いです。

Tabebuia Serratifolia の写真です:
2015年11月17日追記
有隅先生のコメント:
   植物の分類階級でいうと、界、門、綱、目、科、連(族)、属、節、列、種と続きますが、われわれが普通に(普通の生活の中で)問題にしているのは何科、何属の何という「種」かということ(familygenusspecies3つ)です。・・・途中略・・・
   先ずTabebuiaなのか、Handroanthus なのか、Roseodendronなのかということ(最近の分類で昔のTabebuia属は3属に分けられるようになった)、次いでHandroanthus 属のalbusなのか、chrysotrichusなのか、heptaphyllusなのか、impetiginosusなのか、ochraceusなのか、それともserratifoliusなのか、ということです。・・・途中略・・・
   ところで「品種」ということが、しばしば問題になります。先ほどの分類階級でも実は「種」の下に、更に「変種=variety」と「品種=form」という分類単位が出てきます。品種という言葉がちゃんとあるのです。 ・・・あと略










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